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ニッケルチタン形状記憶合金に関して

ニッケルチタン形状記憶合金に関して

サエス・グループは最も歴史の古い形状記憶合金メーカーで、その歴史は1966年の米国海軍研究所への商用供給にたどることが出来ます。

また、1990年にこれまで蓄積した合金製造技術を融合し、業界で初のVIM+VAR(真空誘導溶解+真空アーク再溶解)技術を確立、

VIM(材質均一性)とVAR(合金構造)の両方の良さを兼ねそろえた、高品質の合金を高い再現性を持って製造する工法を実用化しました。

 

この工法は本日現在も活躍しており、毎年何十トンもの不純物の少ない、品質が安定したインゴットを製造しております。

同工法は、通常の2元素のみならず、3元素、4元素など様々な種類のニッケルチタン合金の製造に活躍しています。

 

サエスグループは、医療用途および産業用途のニッケルチタンのグローバルリーダーです。

- 弊社グループ会社のMemry Corporation は、医療機器市場に特化した素材や医療機器部品の開発製造を行っており、

充実した技術開発体制とお客様との密な連携にて、様々な素材やニッケルチタン製加工部品を製造しております。

- イタリアのミラノの近郊にあるサエス・グループ本社は、産業用途のニッケルチタンに特化しており、 形状記憶合金の用途開拓、

新規開発など様々な活動に取り組んでいます。

 

弊社の最大の特徴を示すmelt to market ® 体制(合金製造から市場まで)と、70年に及ぶ形状記憶合金の経験とノウハウにより、

原材料から最終形態の製品まで高度に統合されたシステムで製造された製品をお客様に提供しております。

 

ニッケルチタン形状記憶合金の歴史

Nitinolと呼ばれるニッケルとチタンの合金は、記憶させた形状を回復できる独特の特徴を持った合金です。

ニッケルチタンの通称であるNitinolは、原材料のニッケル(Ni)とチタン(Ti)、またその開発に携わった米国海軍研究所

(Naval Ordinance Laboratory)の頭文字のNOLを組み合わせてできた名称です。海軍研究所の研究チームは、

磁気地雷分解用ツールのための材料を研究している中、ニッケルチタンを「発見」しました。

発見者であるWilliam Buehlerは、1968年に発行した論文で、ニッケルチタン製の深海や宇宙で使用するツールの開発の可能性について言及しています。

当時、Goodyear Aerospace Corp.が、折りたたみ可能で且つ加熱により形状を自己回復できるニッケルチタン製の衛星用アンテナの構想に取り組んでおりました。